【保存版】スペック表から見る、ドール撮影用カメラの選び方完全ガイド

ドールやフィギュアなどの“物撮り”に特化したカメラ情報はまだまだ少なく、購入に迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、カメラのスペックと撮影に関する知識を同時に理解できるように
私が実際に使用しているカメラのスペック表をもとに解説していきます。
それでは、順番に見ていきましょう。

- 市場で買えるカメラのタイプを知っておこう
- レンズマウントとは?対応レンズの鍵になる規格
- 画素数と画像のきれいさ
- はじめての映像素子(イメージセンサー)入門
- 撮影感度(ISO)の概要と目安
- 記録フォーマットについて
- 連写速度の使い道は?ドール撮影には必要?
- シャッタースピードと撮影対象の目安
- 液晶モニターサイズや解像度どれくらい必要?
- ファインダー形式って?電子式と光学式の違い
- ローパスフィルターが「ない」カメラの特徴とは?
- ファインダー倍率と像の映り方
- ファインダー視野率と注意点
- カメラのバッテリー運用、どう備える?
- 撮影枚数(バッテリー持ち)の目安とは?
- 記録メディア(SDカードについて)
- スロットの必要数
- まとめ|ドール撮影向けのカメラ選びの参考に
市場で買えるカメラのタイプを知っておこう
カメラの「タイプ」とは、撮影方式による大まかな分類のことです。
代表的なものとしては
コンパクトデジタルカメラやデジタル一眼レフカメラなどがあります。
今回ご紹介している【ミラーレス】とは
正式にはデジタルミラーレス一眼カメラのことを指します。
現在ではカメラ市場の主流はほぼミラーレス機になっており
2008年の登場以降、各メーカーが積極的に開発を進めたことで性能の差もほとんどなくなってきました。
ドール撮影においては、軽量かつ高性能であるミラーレス一眼カメラが特におすすめです。
※「タイプごとの比較」や「内部構造の違い」については、別の記事で詳しく解説する予定です。
レンズマウントとは?対応レンズの鍵になる規格
レンズマウントとは、カメラ本体とレンズを接続するための規格のことです。
ドール撮影においてはレンズマウントそのものが撮影結果に直接影響することはあまりありません。
ただし、使用できるレンズの種類を左右する重要な要素です。
基本的には
マウントの規格が合っていないとレンズは装着できず撮影もできません。
ただし「マウントアダプター」を使用することで
異なる規格のレンズを使えるようにすることも可能です。
私が使用している【α Eマウント】は、フルサイズ機とAPS-C機の両方に対応しています。
このあたりは、後述の「撮像素子(センサー)」に深く関わってくるため、詳細はそちらでご紹介します。
画素数と画像のきれいさ

画素数(ピクセル数)とは
画像を構成する小さな点(ピクセル)の数を表すものです。
デジタル画像は、拡大すると無数の点の集まりでできていることがわかります。
この点一つひとつを「ピクセル(px)」や「画素」と呼び
その数が多いほど高解像度で滑らかな画像になります。
ドール撮影に必要な画素数は?
カメラ選びでよく話題になる「画素数」ですが
2000万画素あればドール撮影には十分だと私は考えています。
より高画素なモデルも多数存在しますが
画素数が多い=画質が良いとは一概に言えません。
用途に合わせて選ぶことが重要です。
たとえば、SNSやWeb用途が中心であればそこまで高画素である必要はありません。
必要以上に大きな画素数はデータ容量が増えるだけで、扱いが重くなることもあります。
SNS投稿に必要な画素数の目安
SNSに画像投稿する場合
投稿先の推奨サイズを目安に必要な画素数を考えると無駄がありません。
以下は主なSNSの画像サイズと、それに必要な画素数の一覧です。
使用目的 | アスペクト比 | 推奨サイズ(px) ヨコ×タテ | 必要画素数 |
---|---|---|---|
Twitter(X)正方形 | 1:1 | 1200x1200 | 約144万画素 |
Twitter(X)タテ長 | 3:4 | 960 x1280 | 約123万画素 |
Twitter(X)タテ長 | 8:9 | 1200x1350 | 約162万画素 |
Twitter(X)ヨコ長 | 4:3 | 640 x480 | 約31万画素 |
Twitter(X)ヨコ長 | 16:9 | 1200x675 | 約 81万画素 |
Instagramフィード正方形 | 1:1 | 1080x1080 | 約 117万画素 |
Instagramフィードタテ長 | 4:5 | 1080x1350 | 約 146万画素 |
Instagramフィードヨコ長 | 1.91:1 | 1080x566 | 約 600万画素 |
Instagramストーリーズ | 9:16 | 1080x1350 | 約1460万画素 |
壁紙・モニター使用時の画素数の目安
モニターやスマホ壁紙として使用する場合は
表示サイズに合わせた画素数が必要になります。
使用目的 | 推奨サイズ(px)ヨコ×タテ | 必要画素数(約) |
---|---|---|
SXGA | 1280x1024 | 132万画素 |
2K(FHD) | 1920x1080 | 208万画素 |
WQHD | 2560x1440 | 369万画素 |
4K | 3840x2160 | 830万画素 |
8K | 7680x4320 | 3320万画素 |
スマホ壁紙サイズの目安
サイズ(機種) | 解像度(px)ヨコ×タテ | 必要画素数(約) |
---|---|---|
スマホ6.1インチ(iPhone16など) | 1179x2556 | 301万画素 |
スマホ6.3インチ(Pixel9aなど) | 1080x2424 | 262万画素 |
スマホ6.5インチ(Xperia1Ⅶなど) | 1080x2340 | 253万画素 |
写真を印刷する前に知っておくべき単位『dpi』
デジタル画像は「ピクセル(px)」という単位で作られていますが
印刷では紙のサイズは「cmやmm」に合わせて出力する必要があります。
そのため
電子世界の単位ルールと現実世界の単位ルールを合わせなくてはなりません。
その時に使われる単位が dpi (dots per inch) です。
※ディーピーアイ(ドット パー インチ)
これは1インチ(2.54cm)あたりに何個のドットを並べるかを意味します。
下の図のように、1インチの中に何ドットの点を並べるかが dpi であり、数が多いほど細かく繊細に表現できます。

実際に1インチ四方に手描きで再現してみたものがこちらです。(ほぼ10dpi相当)

同じ枠内にもっと細かく描いていくと20dpiや30dpiになります。
要するにdpiを上げれば上げるほど細かく出力されるということが分かったかと思います。
一般的にフルカラーでキレイに写真を印刷する場合300~350dpi
少し離れて見せるようなポスター等であれば200~300dpi
が必要になってきます。
出力する人間にも限界があるようにプリンターにも限界があります。
写真印刷を予定している人はプリンターのスペックを確認しましょう。
写真印刷のサイズ(300dpi想定)
印刷したいサイズ(mm) | 解像度(px) | 必要画素数 |
---|---|---|
L判:127x89 | 1500x1051 | 約160万画素 |
はがき:148x100 | 1748x1181 | 約210万画素 |
A4:297x210 | 3508x2480 | 約870万画素 |
B4:364x257 | 4299x3035 | 約1305万画素 |
A3:420x297 | 4961x3508 | 約1740万画素 |
B3:515x364 | 6083x4299 | 約2615万画素 |
ここまで読んでもらったらわかる通り
2000万画素あれば基本的なことはこなせることが分かったかと思います。
印刷する予定がある場合は
撮影前にどれくらいのサイズで出力したいかを決めておくと
無駄なデータ量や画質不足を避けることができます。
はじめての映像素子(イメージセンサー)入門

イメージセンサーとはレンズの奥にある機構
センサーに光が当たると、それをデータに変換し、画面に映し出す仕組みです。
センサーにも様々なサイズがあり
イメージセンサーが大きいと画質の良さにも繋がってきます。
しかし、センサーが大きくなるほど価格帯も上がります。
センサーの基礎的な話(種類編)
専門的な話なのでここは読み飛ばしても大丈夫ですが
まず大別すると以下の2種があります。
- CCD(シーシーディー)
- CMOS(シーモス)
結論からいうと【CMOS】を選んで問題ありません。
CCDセンサーとは?現在は衰退している理由
Charge Coupled Devices (電荷結合素子)
少し前まではこちらの方式が主流でした。
特徴として感度が高い・高画質な写真が撮れるという物でした。
しかし
- 消費電力が高い
- 高速連写に不向き
- 製造コストが高く価格があがる
といった理由から現在は大手メーカーからの供給が減りつつあります。
CMOSセンサーのメリットと注意点
Complementary Metal Oxide Semiconductor(相補性金属酸化膜半導体)
当初はノイズが多く安いカメラに使われるものと言われていました。
CANONやSONYといった企業の開発技術のおかげで高性能なCMOSセンサーが生まれ
現在ではCMOSが主流となりました。
CMOSセンサーを選ぶ際の注意点があります。
超高速で動くものを撮影すると多少ゆがんで見えるというもので
ローリングシャッター現象とも呼びます。
例えば
- 走っている電車を側面から撮った時に四角ではなく少しひし形にみえる
- プロ野球選手の振った瞬間のバットがひん曲がって見える
ということが起きます。
ですが基本的に静止しているドール撮影については全く影響がありません。
ドールと動くものを同時に撮影したいときに多少影響はでます。
参照サイト:画像が歪んだ~ローリングシャッター歪み
センサーの基礎的な話(サイズによる影響)
ここでは
大きいセンサーのほうが広域を撮影できるということを図で紹介していきます。
①用意するカメラと撮影条件
センサーの大きさが違うと、どんなふうに写真が変わるのか。
大きなセンサーを持つ「フルサイズ一眼」
スマートフォンなどに使われる小さなセンサー「1/2.3型」
の2つを例にして比べていきます。

この2つのカメラで、以下の条件をすべて同じにして撮影を行います。
- 撮影位置(被写体からカメラまでの距離)
- 高さ(カメラの設置位置の高さ)
- 角度(被写体に対するカメラの傾き)
- 凸レンズの中心からセンサーまでの距離
②大きいセンサーの場合
以下の画像の赤いナナメの線は
見えている光がレンズの中心を通ってセンサーに当たっている範囲を示しています。
地面と樹木と雲が範囲内が範囲内に入っています。


③小さいセンサーの場合
先ほどの②と比べて角度が狭くなっており
範囲内にあるのが樹木のみということがわかるかと思います。


サイズ別センサーの紹介
センサーサイズが大きくなると、それに比例して取り込める光の量が増えるため、画質やボケ感、暗所性能に違いが出てきます。
前述しましたが、センサーが大きくなるとカメラ本体やレンズのサイズ・価格も上がる傾向にあります。
ここでは、市場で一般的に使われるセンサーを紹介していきます。
フルサイズ(フルフレーム)
フルサイズセンサーは、かつてのフィルムカメラで使われていた35mmフィルムとほぼ同じ大きさのセンサーです。
正式名称は「35mmフルサイズ」ですが、一般的には「フルサイズ」と略して呼ばれています。
現在、一般に普及しているカメラ用センサーの中では、もっとも大きな部類に入ります。
高画質・高感度性能・ボケ表現に優れることから
本格的な撮影やプロ用途にも使われるセンサーサイズです。
ただし、カメラ本体・レンズともに高価かつ大型・重量級になりやすいため
携帯性よりも画質を優先する人向けです。
メーカーによって微妙な違いはあるもののサイズはおおよそ
36.0×24.0(mm)
参照サイト:35mm判換算ってなに?
APS-C
APS-C(エー・ピー・エス・シー)
正式名称は「Advanced Photo System type-C」
フィルム時代のAPS規格を元にデジタル用に開発されたセンサーサイズです。
もともとフルサイズは製造コストが高く、手が届きにくい存在でした。
この課題を解消するために
より小型・低コストでありながら高画質を維持できるサイズとしてAPS-Cが登場しました。
現在、多くのミドルクラス一眼レフやミラーレスで採用されています。
メーカーにより若干差がありますがおおよそのサイズは
23.4×16.7(mm)
マイクロフォーサーズ
もともとは「フォーサーズ」という一眼レフ用のセンサー規格が前身にあります。
それをベースに、ミラーレスカメラに最適化された規格として登場したのが「マイクロフォーサーズ」です。
2008年にオリンパスとパナソニックが共同で開発・発表し
現在でもこの2社を中心に幅広く採用されています。
小型・軽量なボディを実現しつつも
ある程度の画質を確保できるバランスの良い規格で、
旅行や日常使い、軽快なドール撮影などにも向いています。
17.3x13(mm)(アスペクト比4:3)
1型(1インチ型)
コンパクトデジタルカメラによく採用されている規格です。
13.2x8.8(mm)
その他のセンサーサイズとサイズ感まとめ
『1/2.3型』・・・スマートフォンでよく使用されているサイズ
6.2x4.7(mm)
『中判サイズ』・・・フルサイズより大きい非常に高価なカメラに採用されているサイズ
43.8x32.9(mm)
紹介したセンサーサイズを比較すると下記の図のようになります。
「これくらいの差があるんだなー」程度に参考にしてもらえればと思います。

結局どのセンサーサイズがいいの?
センサーサイズは大きければ良いというわけではなく
自分の用途や予算、持ち運びのしやすさなどもあわせて考えることが大切です。
結論として、「APS-C」が最もバランスの良い選択肢です。
また、大きいセンサーと小さいセンサーとで比較をしました。
「APS-C」は画質・ボケ感・価格・機材の重さなど、すべてのバランスが取れており、ドール撮影の入門機にもぴったりのセンサーサイズといえます。
項目 | 大きいセンサー | 小さいセンサー |
---|---|---|
画質 | 高画質・情報量が多い | 解像度や細部描写はやや控えめ |
ボケ感(背景のボケやすさ) | 大きくきれいなボケが出せる | ボケ感は控えめ |
高感度耐性(ISO感度) | ノイズが出にくく、暗所に強い | 高感度でノイズが出やすい |
被写界深度の浅さ | ピントが浅く、背景が大きくボケやすい | ピントが深く、背景まで写りやすい |
カメラ本体の大きさ・重さ | 大きくて重くなりがち | 軽量でコンパクトなモデルが多い |
価格 | 高価(機材も含めて全体的に高コスト) | 比較的安価で入手しやすい |
おすすめ用途 | 風景、ポートレート、本格的な撮影 | スナップ、旅行、気軽な撮影 |
「APS-C」は画質・ボケ感・価格・機材の重さなど、すべてのバランスが取れており、ドール撮影の入門機にもぴったりのセンサーサイズといえます。
もちろん予算次第で「フルサイズ」や「マイクロフォーサーズ」を選択しても良いです。
※被写界深度やISOの映り方の比較については別の記事でも紹介しています。

撮影感度(ISO)の概要と目安

「国際標準化機構」ISO(International Organization for Standardization)
「アイエスオー」「イソ」と呼ばれています。
カメラにおいては、ISO感度を表す言葉として使われ
フィルムやデジタルカメラのセンサーが光をどれだけ捉えるかを示す数値です。
これは、センサーが光をどれほど敏感にとらえるかを示す指標です。
通常のドール撮影では、ISOはそこまで重視するものではありません。
一般的なカメラに実装されているほとんどのシーンに対応できます。
ただし夜景とドールを一緒に撮影するようなシチュエーションではISO設定が重要になる場面もあります。
以下は撮影環境に応じたISO感度の目安です。
撮影場所 | 天候・時間 | ISO目安 |
---|---|---|
屋外 | 晴れ | 100 |
屋外 | 曇り | 200~400 |
室内 | 晴れ | 400~1600 |
室内 | 夜間 | 800~3200 |
屋外 | 夜間 | 3200~16000 |
ISO感度は高く設定することで暗い場所でも明るく撮影できますが
画質がざらつく(ノイズが出る)デメリットがあります。
そのため、できるだけ低いISO感度で撮影できるよう
明るい場所を選んだり、照明を工夫するとよいでしょう。
記録フォーマットについて
JPEGは、もっとも広く知られている一般的な画像フォーマットです。
ここでは詳しい説明は省略します。
参照サイト:JPEGファイル
RAW形式とは?
RAW(ロウ)は厳密には拡張子の名称ではなく
各メーカーが独自に定めたRAW形式の拡張子を持っています。
RAW形式とは
カメラがとらえた生のRGBデータを画像処理や圧縮処理をしていない画像の事
デジタルネガと呼ばれることもあります。
フィルムで例えると撮影済みだけど現像をしていない状態。
意味としては「生の」「そのまま」を意味します。
要はお化粧をしていないすっぴんの状態です。
各メーカーRAW形式の拡張子を紹介します。
メーカー | RAW形式の拡張子名 |
---|---|
Apple(アップル) | .DNG |
Canon(キヤノン) | .CR2 .CR3 .CRW |
FUJIFILM(富士フィルム) | .RAF |
Kodak(コダック) | .KDC .DCR |
Leica(ライカ) | .RWL .DNG |
Nikon(ニコン) | .NEF .NRW |
OLYMPUS(オリンパス) | .ORF |
Panasonic(パナソニック) | .RW2 |
PENTAX(ペンタックス) | .PEF .DNG |
Samsung(サムスン) | .SRW |
SIGMA(シグマ) | .X3F |
SONY(ソニー) | .ARW .SR2 .SRF |
RAW形式で保存するメリットはレタッチのしやすさです。
レタッチとは写真にお化粧をしていく事を指します。
レタッチついては別の記事で紹介予定です。
RAW形式にはデメリットもあり
カメラのメモリやレタッチ先のストレージを圧迫し
撮ればとるほどフォルダサイズが大きくなります。
私の場合でもRAWデータ1枚で約50MB(約50000KB)ほど消費しています。

連写速度の使い道は?ドール撮影には必要?
そもそも連写については、
私自身が数年ドール撮影をしてきた中で、ほとんど使う機会はありませんでした。
前提の話をすると、連写機能は
動きのある被写体の決定的な瞬間をとらえたい場面で効果を発揮する機能です。
ドール撮影のように被写体が静止している場合は、基本的に必要ありません。
ただし
動く被写体と一緒に撮るような場合に限って活用するのが良いでしょう。
たとえば
ペットや乗り物などと一緒に撮影するようなシーンでは、連写が便利なケースもあります。
シャッタースピードと撮影対象の目安
シャッタースピードとは
見えている光をどれくらいの時間切り取るか
を設定するものです。
撮影目的 | シャッタースピード(秒) |
---|---|
夜空 | 5~15 |
花火 | 4~10 |
物撮り・ドール撮影 | 1/60~1/250 |
人物・動きの少ない日常シーン | 1/250~1/500 |
スポーツ・動物撮影 | 1/500~1/1000 |
撮影前にカメラ本体からシャッタースピードを調節することが可能です。
標準的なカメラであれば基本的な撮影シーンに対応できます。
そのため、特殊なカメラを用意する必要はないです。
シャッタースピードの違いについてはこちらの記事でも紹介してます。

液晶モニターサイズや解像度どれくらい必要?
液晶モニターは撮影した写真の画質そのものに直接影響するわけではありません。
ですが、撮った写真をその場で確認するための重要な確認手段となります。
画面サイズは3.0インチ以上あると使い勝手が良いです。
これより下回るとピントや細かい部分が確認しづらくなります。
解像度に関しては約100万ドット以上あれば、細かい確認に十分対応できます。
画質確認を重視するのであれば130万ドット以上あると心強いです。
ファインダー形式って?電子式と光学式の違い
ファインダー形式は大きく分けて電子式(EVF)と光学式(OVF)に大別できます。
結論から言うとドール撮影初心者には電子式(EVF)をおすすめします。
電子式の特徴
Electronic View Finder(電子ビューファインダー)
センサーに取り込んだ映像をファインダー内の小さな液晶画面に映し出す方式です。
画面に表示される内容がそのまま記録されるため、露出やホワイトバランスの変化をリアルタイムで確認できるという利点があります。

光学式の特徴
Optical View Finder(光学ファインダー)
レンズから入ってきた光をミラーやプリズムで反射させ、そのまま目で見る方式です。
自然な見え方が特徴ですが、実際に撮れる映像とはやや異なる場合があります。
ミラー機構などを搭載する関係で、カメラ本体がやや重くなる傾向にあります。

以上のことから
軽量で取り回しやすく、画面の見たままが記録される
電子式ファインダーは、ドール撮影初心者におすすめです。
ローパスフィルターが「ない」カメラの特徴とは?
そもそもローパスフィルターとは
センサーの前面の取り付けられている層
【偽色】や【モアレ】を低減させる機能を持ちます。
偽色:本来は存在しない色が写ってしまうこと。
モアレ:服の織り目や網の模様など細かい繰り返し模様を撮ると実際にはない波のような模様が写ってしまう現象(moire)
参照サイト:描写力 / PENTAX KF / 製品
ローパスフィルター“レス”のメリット・デメリット
ドール撮影においてのローパスフィルターの必要性
まずはそれぞれのまとめです。
比較項目 | ローパスフィルター(あり) | ローパスフィルターレス(なし) |
---|---|---|
モアレ体制 | ◎良い | △出やすい |
解像度 | △ソフト気味 | ◎シャープに出る |
初心者向け | 〇安心 | △注意が必要 |
向いている撮影 | ポートレート、動画、ファッション | 風景、商品、静物 |
ドール撮影に関してはどっちもメリット・デメリットがあるので悩ましいです。
初心者向けという観点で言えばローパスフィルターは付いていたほうがいいです。
しかしドール撮影はファッション撮影をしている側面があるので、モアレ発生を懸念を抑えられる面もあります。
ただ私個人的には解像度を優先させて良いと思っています。
モアレが出そうなときは、しぼり値調整や撮影角度を変えたりすることで軽減することもできます。
そのため
ローパスフィルターレスを推奨しています。
ファインダー倍率と像の映り方
ファインダー倍率を知っておくと見やすさ・撮影スタイルへの適合を見極めるうえで役に立ちます。
そもそもファインダー倍率とは肉眼で見えるサイズと比較してファインダーをのぞいた時に見える像の大きさを示す値です。
計測条件として以下のものがありますが詳細は知らなくても大丈夫です。
- 50mmレンズ
- 無限遠にピントを合わせた状態
- 視度調整を±0
- フルサイズセンサーを基準にした倍率
参照サイト:ファインダーの知識
ファインダー倍率ごとの目安
ファインダー倍率は1倍(1.00倍)に近ければ近いほど快適に撮影が可能です。
倍率 | 目安 | 採用してるカメラ等 |
---|---|---|
0.85以上 | かなり大きくて快適 | フラッグシップ機など |
0.75~0.80程度 | やや大きい(見やすい) | 高級ミラーレスや一眼レフ |
0.70程度 | 標準サイズ | フルサイズやそれ以上の高級機 |
0.50以下 | 小さめで覗き込む感じ | APS-Cなど |
センサーサイズ別でみた実効倍率
APS-Cやマイクロフォーサーズのカメラを購入する際は
ファインダー倍率の数値だけでなく、実効倍率に注意が必要です。
たとえば
スペック表に「ファインダー倍率:0.70倍」と記載されていても
センサーサイズによって実際に見える範囲は異なります。
簡潔にいうと
フルサイズを基準にした時にどれくらいの倍率になるか
図で示すと以下の通りです。

ドール撮影に必要なファインダー倍率は?
ドール撮影においても倍率が高いほうが快適でピントをつかみやすいです。
倍率が大きいほど高価になりがちです。
オススメとしては以下の数値に近いものが良いでしょう
センサーサイズ | 表示ファインダー倍率 | できればほしい実効倍率 |
---|---|---|
フルサイズ | 0.70程度 | 0.70倍以上 |
APS-C | 0.90程度 | 0.60倍以上 |
マイクロフォーサーズ | 1.20程度 | 0.6倍以上 |
ファインダー視野率と注意点
ファインダー視野率とは
ファインダーで見える範囲が、実際に記録される画像のどの程度をカバーしているかを示す指標です。
たとえば
視野率が95%であれば、ファインダーで見えている範囲よりも、少し広い範囲が写真として記録されることになります。
近年ではミラーレスカメラが主流となり、視野率100%が当たり前になってきています。
一眼レフカメラを購入検討している場合の注意点
一眼レフカメラには視野率が100%未満のモデルも多く、ファインダーで見た構図と、実際の写真の構図が微妙に異なる場合があるため注意が必要です。
視野率100%にするには精密な設計が必要なため、コストが上がる傾向があります。
一眼レフを検討している方は、スペック欄の「視野率」の記載を必ずチェックしましょう。
カメラのバッテリー運用、どう備える?
カメラに使われる電池(バッテリー)は、メーカーや機種ごとに型番が異なります。
そのため、購入前には対応する電池の種類を必ず確認しましょう。
ドール撮影では、1回の撮影時間が長くなることもあります。
そのため、最低でも2個以上のバッテリーを用意しておくと安心です。
多くのカメラでは、撮影中に本体を通して充電することはできません。
バッテリーが切れた時点で撮影を中断せざるを得ないケースがほとんどです。
事前に充電しておくか、専用のアダプターで充電しながら撮影するスタイルが一番楽だと感じています。
※使用する電池の型番についてはここでは割愛します。
撮影枚数(バッテリー持ち)の目安とは?
カメラの撮影枚数とは、フル充電の状態から何枚の写真を撮影できるかを示す目安です。
この数値は、「CIPA(カメラ映像機器工業会)」が定めた電池寿命測定方法に基づいて計測されており、多くのメーカーがこの基準に沿って表記しています。
ただし
撮影状況や設定、液晶画面の使用頻度、Wi-Fi機能の使用などにより
実際の撮影枚数は前後することがあります。
ドール撮影では長時間の撮影になることも多いため
前述したとおり予備バッテリーを1〜2個用意しておくと安心です。
記録メディア(SDカードについて)
カメラで撮影した画像や動画を保存するために欠かせないのが記録メディアです。
現在では、多くのカメラがSDカードを採用しています。
ドール撮影においても、連写やRAWデータの保存、長時間の撮影など、記録メディアの性能が撮影体験に影響を与える場面は意外と多くあります。
SDカードの種類や速度の違い、容量の目安については以下記事で紹介しています。

スロットの必要数
紹介している機種は【シングルスロット】なのでSDカード差込口が一つです。
上位機種だとSDカードを2枚させる【デュアルスロット】というものがあります。
使い方としては
- バックアップモード(それぞれに同じデータを保存)
- オーバーフロー記録(1枚目がいっぱいになったら2枚目)
- 分割記録(RAWとJPEGにわける)(動画・写真に分ける)
ドール撮影を楽しむ分にはシングルスロットのものを選択して問題ありません。
まとめ|ドール撮影向けのカメラ選びの参考に
ここまでの話を整理しドール撮影向けのカメラ選びの参考になればと思います。
基本仕様 | ドール撮影初心者に推奨 |
---|---|
タイプ | ミラーレス一眼カメラ |
レンズマウント | 特にこだわりは不要 |
画素数 | 最低2000万画素程度 |
画像素子(センサーサイズ) | APS-Cがおすすめ 予算次第でフルサイズやMフォーサーズも◎ |
撮影感度(ISO) | 標準的な範囲で十分 |
記録フォーマット | JPEG+RAWなどの標準的なもの |
連写撮影 | 重要性は低い |
シャッタースピード | 標準的な範囲で十分 |
液晶モニター | 3.0インチ以上 100万ドット以上推奨 |
ファインダー形式 | 電子式(EVF)推奨 |
ローパスフィルター | 無し(ローパスフィルターレス) |
ファインダー倍率(表示倍率) | フルサイズ:0.7以上 APS-C:0.9以上 Mフォーサーズ:1.2以上 |
ファインダー視野率 | 100%が理想 |
電池タイプ | 2個所持を推奨 |
撮影枚数 | 多いほど安心 |
記録メディア | SDカードまとめ記事に記載 |
スロット | シングルスロットで十分 |
この記事を参考に、ご自身の撮影スタイルに合ったカメラが見つかれば嬉しいです。
なお、レンズの選び方やについては別記事で詳しく紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。
この記事を参考に、ご自身の撮影スタイルに合ったカメラが見つかれば嬉しいです。
なお、レンズの選び方については別記事で詳しく紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。
